研究課題/領域番号 |
22520756
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研究機関 | 創価大学 |
研究代表者 |
前川 一郎 創価大学, 文学部・人間学科, 教授 (10401431)
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キーワード | イギリス / アフリカ / 開発 / 援助 / 脱植民地化 / 植民地 / 経済発展 / 国際関係 |
研究概要 |
本研究の目的は、植民地経済を変革し、国民の富の増大を目指した独立期アフリカ諸国が掲げた開発主義の課題が、じつにこの半世紀の間ほとんど実現しなかったとの認識に立ち、その歴史的背景を検証することにある。総じてみれば、アフリカの旧英領諸国が独立に際して直面した喫緊の課題とは、旧宗主国イギリスの開発政策を受け入れ、経済発展に資する政策を早急に具現化することにあったといえる。本研究は、その苦闘に満ちた歩みを具体的に明らかにするなかで、アフリカの脱植民地化と経済発展の史的特質を考察する試みである。 この研究課題を進めるにあたって、平成23年度には、先行研究の整理を踏まえたうえで、分析対象の国際的背景をなすイギリスの開発政策の具体的展開について、イギリス側の資料を中心に検討した。先行研究として、(1)イギリス帝国史、特に経済史、(2)国際関係論、(3)アフリカ経済史、(4)開発経済学等々の分野を中心に整理を試み、本研究全体に関わる研究動向についての知見を深めることができた。 そのうえで、イギリス側が戦後どのようにして(旧)植民地・開発途上国に対して開発援助政策を展開してきたかについて、国立公文書館TNA所蔵文書を中心に調査・考察した。さらに、東アフリカ各地の国立公文書館および大学図書館での文献調査もおこない、その結果、平成22年度の研究成果をさらに深めることができた。すなわち、脱植民地化が本格化する1960年代後半を一つの転換点として、戦後の「植民地開発政策」が終わり、ポストコロニアル世界に対応した新しい戦略が打ち出されていく経緯を跡づけることができた。 これらの成果は、研究会報告及び論文にて公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまで、本研究は、先行研究の整理と、イギリス側の史料を中心に、イギリスの対外援助政策におけるイギリス側の事情を中心に検討してきた。この点については、おおむね全体像を把握するところまで来ており、その成果は論文にて発表することができた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の今後の推進方策については、23年度におこなった東アフリカでの文献調査の成果をさらに深め、イギリス側の史料とつきあわせて、ドナーとレシピエントの関係を脱植民地化と経済発展の歴史的文脈に位置づけて検討することを目指す。
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