住民の3分の1が非ポーランド系の諸民族によって占められる多民族国家となった戦間期ポーランドにおいて、民族的少数派が議会を舞台としてどのような活動を展開したのかを丹念に跡づけ、しかも民族少数派を一枚岩として捉えるのではなく、それぞれの民族における活動の論理の相違にも十分な注意を払いながら検討を加えたことにより、民族的少数派の観点から見た新たな戦間期ポーランド政治史像を提示することが可能となった。また、多民族国家における議会政治の在り方という極めて今日的な問題についても東欧史研究の立場から照射することが出来た。
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