研究概要 |
房総半島、安房の地域は完新世の後氷期の温暖化に伴う縄紋海進によって、多くの海食洞穴が形成されている。海進後、今度は地殻隆起によって4つの海岸段丘(沼I~IV)が形成され、各段丘には海食洞穴がつくられている。また、激しい隆起現象によって、縄紋海進時によって、縄紋海進時に海底に沈んだ遺跡(沖ノ島遺跡)が再び陸上の現れる。他の地域では確認することができない海底遺跡が、現在陸上で発掘できる希有な地域である。 こうした海水面変動や隆起現象を海底遺跡や海食洞穴遺跡の立地から,その実態や海食洞穴の利用の変遷を明らかにすることができた.本年度は、最終年度に当たり以下の点を総括した。1.富津市城山海食洞穴の遺物再整理と報告書の準備。 2.琵琶湖の海水面変動と遺跡の立地関係(粟津湖底遺跡・相谷熊原遺跡) 3.長崎県雲仙市筏遺跡・百花台遺跡の立地および遺物の調査 4.名古屋市平出町遺跡出土の舟形木棺 5.段丘形成(沼I~IV)と遺跡利用・廃棄時期の検討
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