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2012 年度 実績報告書

刃部研ぎ分け紋様を有する武器形青銅器の施紋研磨技術と系統解明のための実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22520767
研究機関山口大学

研究代表者

村田 裕一  山口大学, 人文学部, 准教授 (70263746)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード考古学 / 武器形青銅器 / 研ぎ分け紋様 / 研磨技術
研究概要

昨年度と同様に施紋研磨痕の調査を行うとともに,研磨実験を行い施紋研磨工具の同定に関わる研究を行った。前者では,佐賀県検見谷遺跡銅矛・目達原遺跡銅矛,島根県荒神谷遺跡銅矛,福岡県上月隈遺跡銅矛,福岡県吉武遺跡銅剣・銅戈,福岡県敷町銅戈,熊本県真木西津留遺跡銅戈,高知県天崎遺跡銅矛の調査を行った。
その結果,熊本県真木西津留遺跡銅戈,高知県天崎遺跡銅矛には,現状では研ぎ分け紋様が確認できなかった。今年度の調査では,顕微鏡観察を重点的に行うことで,いくつかの新たな所見を得ることができた。佐賀県検見谷遺跡銅矛・目達原遺跡銅矛,島根県荒神谷遺跡銅矛の観察からは,斜紋部境界に頻出する研磨工具のアタリのような微細痕跡から,研磨工具が布や皮革のような柔らかく可変性のあるものではなく,石のような固形物であることが判明した。しかしながら,研磨工具を砥石と特定するには至ってはいない。最有力の候補であるに止まる。
高知県天崎遺跡銅矛には,器面の著しい風化が観察され,研ぎ分け紋様を確認できないことの原因である可能性が推定された。
研磨実験では,市販の銅板を使って,トクサの茎部の表皮,朴の葉などの植物組織による研磨サンプルを作成した。しかしながら,実際に観察を行っている遺物の研磨痕とは相違点が大きく,今回の実験からは,このような植物組織については,研磨工具の可能性は低いと考えられた。
本研究では,研ぎ分け研磨痕の特徴から,施紋技術とその系統関係を解明することを最終的な目的としていた。研磨技術に関しては,研磨痕の顕微鏡レベルの観察から,非常な多様性を持った研磨技術であること,そして同時に高度の技術による研磨であることが明らかになった。また,佐賀県検見谷遺跡銅矛の観察から,研ぎ分け紋様の類型化に成功した。しかし,荒神谷遺跡銅矛との比較は,当該資料の保存修理のために,十分な検討を行うことができなかった。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 検見谷銅矛・目達原銅矛に見られる研ぎ分け紋様の検討2012

    • 著者名/発表者名
      村田 裕一
    • 学会等名
      アジア鋳造技術史学会2012年愛媛大会
    • 発表場所
      愛媛大学
    • 年月日
      20120825-20120826

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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