オーストラリアならびに福井市の人口移動データを用いて、(1)年齢による移動距離の変動パターン、(2)スケールの異なる行動空間による生涯変動、(3)男性と女性との間での生涯変動、(4)移動頻度の年間変動パターンについても分析を行った。その結果、(A)生活圏内での移動距離の生涯変動の周期と広域圏のそれとは、相補的なリズムで出現する傾向がある、(B)市内移動と県内移動、県外移動、それぞれの移動頻度には、異なる特徴的な年間変動パターンがある、(C)生涯変動も年間変動のパターンには男女差がある、などの知見を得た。移動行動のメカニズムは空間スケールによって本質的に相違する。
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