研究概要 |
本研究では,小売業,飲食店および個人サービス業を生活基盤を支える施設として位置づけ,それを空間的公平性の観点から整備する政策を日本に提言するために,以下のことを目的とした。第1に,日本と比較するために生活基盤施設の計画に関する先進地であるイギリスの政策とその問題点を解明した。第2に,日本の生活基盤施設の立地政策を検討し,その問題点を指摘した。 本年度は,2011年5月に青森市,2012年1,月に岡山市,3月に金沢市に調査に行った。それにより,日本の生活基盤施設の立地政策に関する資料を収集し,中心市街地とその周辺における立地の実態を調査した。 一方,イギリスの調査は2012年2月に行った。調査地は,ノッティンガム市の場合,中心市街地から2km圏内にあるインナーシティである。ハイソン・グリーン・ディストリクトセンターという周辺商業地を中心とする地域の土地利用を調査した。ハイソン・グリーン・ディストリクトセンター周辺はエスニックマイノリティが多い地域で,パキスタン人とバングラディシュ人が集中する。その地域における生活基盤施設の政策と実態の乖離を調査した。 カーディフ市では,インナーシティの工業地域が住宅,商業,スポーツ施設により再開発された一帯を調査した。本一帯は住宅が立地するが商業施設の立地は進んでいない。
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今後の研究の推進方策 |
今後はノッティンガム市の土地利用調査を進めていく。さらに,シェフィールド市のデータを購入する予定である。それにより,当初の予定であるイギリスの生活基盤施設の立地政策と実態との乖離を解明でき,日本の政策への提言をできると考える。今のところ,本研究課題を推進する障害はない。
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