22の琉球政府計画移民集落の集落景観の造景は,八重山支庁の指導もあり,極めて酷似している。しかし,入植世帯の農業に対する専従意欲の差異が,平等性を重視したがあまり,専有する耕地の集落内分散を招いている現況に対する不満(耕起作業効率の悪さなど)となって現れている。現実には,一筆圃地の名義交換,離農・離村者からの買取などが生じている。注目すべきことは,これらの動きが,開墾入植当初の開拓団結成の仕方と深く絡み合っており,開拓団結成に「地縁・血縁による郷友的性格をもつ離散集団(ディアスポラ)」が存立していた場合には,新農村建設は展開をみていることである。換言すれば,開拓集落は存続しているのである。
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