研究課題/領域番号 |
22520805
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
中川 秀一 明治大学, 商学部, 教授 (00298415)
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研究分担者 |
安食 和宏 三重大学, 人文学部, 教授 (00231910)
川久保 篤志 島根大学, 法文学部, 准教授 (50314612)
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キーワード | 地域存続力 / 山村地域 / 紀伊山地 / 中国山地 / 内部組織 / 外部チャネル / 規模縮小社会 / ネオ内発的発展論 |
研究概要 |
初年度であり、目立った研究成果はまだない。計画にあった共同での調査を実施し、6月には中国山地、11月には紀伊山地を視察調査した。こうした企画は、共同研究者個々にとって意義あるものであることが実感されたが、その成果を共同のものとしていく作業はまだ緒についたばかりである。 3月の日本地理学会に向けて、経過報告を行うために準備作業を進め、その報告内容は、日本地理学会予稿集に掲載されている。中国山地・紀伊山地の視察調査に基づき、本研究のねらいと枠組みについて報告している。全体として規模縮小過程にある日本の経済社会を前提として、国土の周辺にある地域、とりわけ山村に着目して分析することが、本研究の主要な意図である。また、長期的な視点からこれまでの調査地域について再検討すること、地域の「持続」概念に代えて地域が存続しようとする内的営力に着目することなどを分析の枠組みとしている。 現段階では、前者についての具体的な分析に取り組んでおり、本研究のねらいについてはある程度の手ごたえを得ている。以前の研究で有効とされた地域の経済基盤の確立方法(地域振興策)について、中国山地、紀伊山地の事例を踏査した結果、その多くが再検討を迫られている状態にあることが判明した。こうしたこれまでの事例調査研究の持つ視座について、根本的に見直さなければならないだろう。その具体的方法論でもある後者については、共同研究者の間で議論しているところである。分析手法や「存続力」の枠組みも含めてさらに研究を深めていく必要がある。
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