研究課題/領域番号 |
22520805
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
中川 秀一 明治大学, 商学部, 教授 (00298415)
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研究分担者 |
安食 和宏 三重大学, 人文学部, 教授 (00231910)
川久保 篤志 東洋大学, 法学部, 教授 (50314612)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 地域存続力 / 地域組織 / 地域アイデンティティ / 外部チャネル / 適正規模 |
研究概要 |
東北地方北上山地の山村(9/13-15)および九州宮崎県の山村(11/1-3)の共同視察を実施し、学会報告とその準備過程で「地域存続力」に関する議論を積み重ねた。 中川は、さらに森林資源利用を中心とした地域資源利用による発展を、川久保は、かんきつ類をはじめとする果樹利用の状況を、安食は、山村の就業変化について国有林労働からの転換を中心に考察した。これまでの共同視察により、北海道・沖縄を除く全国の多数の事例を視察し、議論の基盤を共有してきた一方、見解の相違も明らかになってきた。 衰退局面にある実態を前に、地域の存続がどのように展望されるかの道筋を明確にすることは必ずしも容易ではない。地域の「小さな経済」を現存するものとして考えるのか、展望すべきものとして考えるべきなのか、枠組みを実態に照らしあわせたときのギャップをめぐって、さらに議論が続けられる必要があり、概念整理が進められるべきである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現地共同視察調査を核としたプロジェクトであるが、今年度までほぼ予定通りに調査を実行することができている。また、調査結果の発表については、学会報告を中心に、相当回数を行ってきている。まだすべてではないが、順調に報告をしてきているといえる。 しかし、これらの報告を論文として公刊するには至っていないこと、理論的フレームの提示が遅れていることは、当初予定よりも遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は各自、現地調査報告を論文として投稿し、刊行していくことを課題とする。地理学関係の学会誌はもちろん、大学紀要等も含めて、成果を発表していく。また、理論的な枠組みの整理を行う。旧来の内発的発展論に、近年の共発的発展(後藤春彦)、イギリスにおけるネオ内発的発展論の系譜を踏まえつつ、経済社会の地域的範囲の問題を加味することによって、地域の適正規模を勘案した発展理論が展望されるはずである。この点を展望することが、次年度の課題である。 これらを共著としてまとめていくことを本研究のひとまずの到達点としたいが、次年度中に終了し得るかどうかは、まだわからない。
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