研究課題/領域番号 |
22520807
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
生田 真人 立命館大学, 文学部, 教授 (40137021)
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研究分担者 |
秋山 道雄 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (00231845)
高山 正樹 大阪大学, 経済学研究科, 教授 (00226937)
大場 茂明 大阪市立大学, 文学研究科, 教授 (10185366)
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キーワード | 産業集積 / 大都市圏 / 地域政策 / 大阪 / 繊維工業 / 泉州 / 都市政策 |
研究概要 |
本研究は、主に大阪府南部の泉州地域を主な研究対象としている。まず、日本の地域政策と大都市圏政策を再検討した上で、繊維産業の複合的な集積地であった泉州地域がどのように変化してきたかを検討する。この研究のために、次の3つの研究課題を設定した。つまり、1)国の地域政策と大都市圏政策の推移の把握、2)京阪神大都市圏(大阪圏)の産業と大都市圏政策の分析、3)泉州地域の商工業に関する調査と研究である。 平成22年度は、5月と12月に研究会を開催して、23年3月に共同の現地調査を行った。第1回研究集会では、経済地理学や経済学で議論されてきた産業集積論に関する討議を行い、第2回研究会では、国による地域政策と大都市圏政策について研究計画書で分担した担当者が報告し、検討した。 また、3月の共同調査では、泉州の主要な産業地域の現況を把握するために、2つの工業組合について聞き取り調査を行った。 工業組合に対する調査などの結果、泉州を代表する小幅の綿織物業やタオル工業は、中国などのアジアの発展途上国からの安価な製品の輸入拡大に対抗して新製品を開発し、さらに新たな生産および販売システムを構築するなどの事業を実施していることが分かった。泉州の繊維産業は、生産規模は縮小しているけれども、製品の付加価値を高めつつ事業と企業の存続を図っている。国による地域政策と大都市圏政策の中では、工業振興の役割は低下している。しかし、府県、ことに大阪府レベルの工業振興策は、継続していることが分かった。
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