研究課題/領域番号 |
22520807
|
研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
生田 真人 立命館大学, 文学部, 教授 (40137021)
|
研究分担者 |
秋山 道雄 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (00231845)
高山 正樹 大阪大学, 経済学研究科, 教授 (00226937)
大場 茂明 大阪市立大学, 文学研究科, 教授 (10185366)
|
キーワード | 産業集積 / 大都市圏 / 地域政策 / 大阪 / 繊維工業 / 泉州 / 都市政策 / 都市化 |
研究概要 |
平成23年度は、3年計画の内の2年目に当たる。本年度の主な研究目的は、京阪神大都市圏(大阪圏)の産業再編と大都市圏政策の分析を行うこと、さらに大阪府南部(泉州地域)の工業に関する実態調査であった。 大阪圏の産業再編と政策については、以下のような諸点を確認することが出来た。すなわち、大阪圏では工業と商業の2産業部門の再編が続き、近年では大阪湾ベイエリアの工業再編が進展した。また大都市圏中心都市の再開発が進展して、ことに大阪市梅田地区のJR大阪駅とその周辺の貨物ターミナルエリアの変化が続いた。国の大都市圏政策は1990年代に大きく再編された。そして国の地域産業政策の一環として推進されてきた産業クラスター計画が関西圏内でも推進されてきた。クラスター計画は、地域再編に大きな影響力を持った。また当該地域に独自な行政上の動きとして、関西広域連合の動向を検討した。関西広域連合は、奈良県が不参加などの制約はあるが、関西の政令指定都市と府県を含む広域の行政組織として成長している。 2011年8月と9月に泉州地域の工業に関する現地調査を行い、複数の工業組合に聞き取り調査を行った。8月には泉佐野にある大阪南部織物工業協同組合を訪問し、9月には泉大津市の日本毛布工業組合を訪問した。これらの産地では、1990年代以降になって海外からの競合製品の輸入が拡大すると、生産規模は縮小してきた。しかし市場構造の再編傾向に対応して、新製品の開発や独自の流通メカニズムの構築などのさまざまの努力を行ってきた実態を把握することが出来た。また、泉州沖に開港した関西国際空港は、泉州の繊維産業には多少の影響はあったけれども、大きなプラスの効果はなかったことも明らかになった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大阪圏の産業再編と国や府県などの政策の進展状況についておおむね調査することができた。また、昨年度に続き、今年度も泉州地域の関連工業組合等に対する聞き取り調査や市街地状況の調査などについても実施することができた。研究会も予定通り開催することが出来た。
|
今後の研究の推進方策 |
平成24年度は、本研究の最終年度である。研究計画にしたがって、国の地域政策や大都市圏政策を総合的に把握し、さらに京阪神大都市圏の産業動向も再編についても総合的に検討する。そして、大阪府や大阪府南部地域の都市の産業振興策を詳細に検討することによって、これらを総合的に検討する。また、大阪府南部地域の繊維産業を中心とする産業集積の形成と最大化の実態を明らかにし、その後の衰退動向も把握する。これらの検討を通して、産業集積の再編と大都市圏政策について検討したい。
|