今年度は、この研究の最終年度であり、大阪府南部の泉州地域を主な対象として繊維産業の集積拡大と衰退の過程を考察した。そして、この産業集積を今後の大都市圏政策の中にどのように位置づけるべきかを検討した。泉州地域の繊維産業は、明治以降の日本の経済成長と政府の政策、そして大都市圏の再編という歴史的経路の中で成長し、縮小した。現在のこの産業は大都市圏政策よりもむしろ、中小企業政策の枠組みから支援してゆくべきだろうという結論を得た。 また泉州の紡績工業、毛布工業、綿工業、タオル工業などに関する報告書を作成し、研究協力者大場茂明のホームページに公表した。
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