研究概要 |
2012年度はフィールドである大阪市西成区あいりん地域へ極めて頻繁に通うと同時に,西成特区構想有識者座談会の有識者として,全12回の座談会のうち第8回と第11回を除く10回に出席し,本研究課題で実施してきたあいりん地域に関する研究成果に基づき,地域の現状や課題について発言し将来に向けて政策提言を行った。 特に,第3回西成特区有識者座談会における報告「国際観光振興・賑わい創出を中心としてあいりん地区の活性化について」のなかで,研究代表者は,①あいりん地区の地域機能分化が進展しているため,地域機能が異なれば異なる地域戦略や地域政策が不可欠である,②宿泊拠点となる地域のNaming・Zoning・Planning・Promotionおよびその地域への立地誘導政策が検討されるべきである,③大衆演劇や西成ジャズなどを西成区の地域資源と捉えて発信すべきである,④JR新今宮駅・南海新今宮駅周辺のターミナル開発および観光夜市の創出も検討すべきである,等々の政策提言を行った。 2012年度夏季にドイツのケルンで開催された第32回国際地理学会議において,研究代表者はThe Distribution and Function of Lodging Facilities in Osaka, Japan: Implication of Urban Restructuring and Inbound Policy-makingというタイトルで,本研究課題の成果の一部を発表するとともに,観光振興とインナーシティの再生に関する議論を深めた。 また,本研究課題を発展させるため,あいりん地域の観光振興と関わる主なステイクホルダーに対して,研究代表者から参加を呼びかけ,2012年秋,新今宮地区観光まちづくり推進協議会を組織し,インナーシティの再生に向けた具体的な事業活動も始まっている。
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