研究概要 |
本研究の目的は、日本・沖縄、韓国、台湾、中国を中心として、東アジアの家族写真を比較研究することによって、各地域に見られる家族写真の独自性および共通性を探究し、家族や社会に関する意識や倫理的・思想的観念、文化的・民俗的・宗教的な慣習や行事における類似点や相違点を明らかにすることである。 今年度は3回の研究会を行った。以下、研究発表者、および題名をあげる。第1回研究(5月28日:大阪大学)、小山有子(大阪大学非常勤講師)「華族の家族写真」。第2回研究会(7月16日),本多彩(兵庫大学専任講師)「写し出された日系人の諸相」。第3回研究会(8月23日:台湾・龍華科技大学)、宋秀環(龍華科技大学助理教授)「日本へのノスタルジア-台湾原住民の老人」、林暁淳(大阪大学大学院)「台湾の家庭アルバム」、竹原直道(九州歯科大学名誉教授)「遺棄されたアルバムのなかの家族写真」。台湾では、宋秀環などの協力のもとで、台湾の家族写真などの写真関連資料を調査し収集した。また、川村は6月に韓国・光州市の全南大学校におけるThe 2nd International Conference of Humanities Research on Emotion "Family and Emotion : Love, Image, and Desire"で「日本の家族写真の表象」の題で研究発表した。 研究成果は、The Journal of Gamsung(3号、全南大学校湖南研究所、2011年)に川村邦光「日本の家族写真の表象」を掲載した。また、『日本学報』(31号、2012年6月刊行予定)の「特集:東アジアの家族写真の展開と表象」に、以下の論文が掲栽される。川村邦光「家族写真スタイルの展開と表象」、小山有子「華族の家族写真」、鳥集あすか「忘れられた記憶残された記録」、竹原直道「遺棄されたアルバムのなかの家族写真」、林暁淳「台湾の家庭アルバムの諸相に関する考察」、本多彩「写し出された日系人の諸相」。
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