研究概要 |
[研究の目的] 本研究は,申請者が1980年代から継続的に調査を行ってきた米国の2地域において,1990年代後半から2000年代に顕著に見られる高齢者用住環境の多様化に着目し,住環境選択を中心とした高齢者世代のライフデザインの変化を,当該地域の福祉政策や,地域社会の文化的・社会的変化の文脈の中で明らかにし、さらに,日本の状況との比較によってアメリカ文化・社会の特性を明らかにすることを目的とする。 [平成22年度の調査] (1)文献ならびにインターネットによる調査【福祉政策,地域社会の変化】 1990年代以降,当該地域に起こった文化的・社会的変化について整理し,要点を明らかにした。 (2)米国西部カリフォルニア州サンフランシスコ近郊における春期(1週間)の現地調査 (a)前回調査を行った当該地域の福祉施設,教育機関等で,地域社会の変化について,聞き取り調査ならびに資料収集を行った。 (b)老後の住環境の選択肢とそれぞれのメリット・デメリットについて参与観察と聞き取り調査を行った。 (c)比較的新しいタイプの介護施設で、高齢者の自立性やケアに関するハード面,ソフト面での工夫や取り組みについて,参与観察と聞き取り調査を行った。 [成果] 今年度の調査から、以下の点が重要点として浮上し、今後さらなる調査を進めたい。 (1)強制的定年退職年齢撤廃による高齢者のライフデザインの多様化。 (2)高齢者の「Old,Old generation(85歳以上)」「Baby Boomers(65歳前後)」とその中間の「Middle generarion(75歳前後)」のカテゴリー化とライフデザインの比較。
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