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2010 年度 実績報告書

茅葺き技術の継承と応用に関する民俗学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22520827
研究機関長崎大学

研究代表者

才津 祐美子  長崎大学, 環境科学部, 准教授 (40412613)

キーワード民俗学 / 茅葺き / 民家 / 民俗技術 / 文化遺産
研究概要

茅葺き民家が減少するなかで、その屋根を葺く方法も変化し、そのための技術を持つ人もまた少なくなっている。それゆえ、特定の地域限定の技術を持った職人が他地域の茅葺き民家、さらには民家以外の茅葺きを葺くという現象が広がっている。本研究の目的は、こうした現代の茅葺きを支えるために生じている様々な変化を、地域内での継承と地域外への広がりの両面、および技術と人材の両面から包括的に捉えつつ明らかにすることである。
初年度である本年度は、まず、岐阜県白川村荻町地区において、少し前から「職人」と呼ばれるようになった方や建設業者などから聞き取り調査を行った。その結果、茅葺き民家の減少と茅葺き方法の変化の歴史的経緯および特定の人々の「職人」化について明らかにすることができた。特に、多くの住民がかつては相互の無償労働の提供(「結」)によって行っていた屋根葺きを業者に委託するようになったことで「職人」が生まれていった経緯の詳細を知ることができたことは重要である。
また、白川村の屋根葺き職人らが村外の屋根葺きや修理に行っている実態についても話を聞くことができた。ただし、白川村荻町地区の屋根葺き職人が行っているのは、主に全国各地に移築された「合掌造り」の屋根葺きや修理だということがわかった。よって次年度は調査対象地域を広げ、荻町地区以外の屋根葺き職人や建設業者にも聞き取り調査を行う予定である。他に、以前は冬期の出稼ぎとして多くの人々が村外の屋根葺きや修理に携わっていたということが明らかになったことも非常に有意義だった。
さらに、本年度は、現地調査を補完するため、および全国的な茅葺き民家の減少と茅葺き技術保持者の動向を調べるための文献資料調査も行った。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 売られた「合掌造り」のゆくえ-資源化される民家II-2010

    • 著者名/発表者名
      才津祐美子
    • 学会等名
      日本民俗学第62回年会
    • 発表場所
      東北大学
    • 年月日
      2010-10-03

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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