拡大を続けるインドネシアのアブラヤシ開発をめぐる土地紛争について、西スマトラ州を中心としてフィールドワークを行い、西パサマン県でのウィルマー・グループの抱える土地紛争の事例2例を分析した。その結果、ミナンカバウ母系制の根幹を支える共有地の開発の在り方をめぐる正当性の問題、あるいは開発の条件として提示された共有地の利用の在り方をめぐり、企業と住民の間のコンセンサスの不在などの問題題を指摘した。さらに、紛争の当事者の多様性を見出し、その一環として移住者が多数を占める農園労働者の階統制などを指摘した。
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