米軍統治下の琉球列島において社会科学調査と民間情報教育行政がどのような関係にあったのかという問題に焦点をあて、ジョージ・H・カーの個人文書を中心に資料収集をおこなった。 (1)2010年4月20日より26日と2011年1月3日より8日、スタンフォード大学フーバー研究所資料館にて、カー文書ファイルケース全7箱をパイロット的に調査し、資料館が発行している概要目録を基礎にデータを追加して粗目録を作成した。 (2)2010年9月10日より15日、琉球大学付属図書館のカー文書段ボール箱3箱分を全てデジタルカメラで撮影した。ほぼ未整理に近いため、以後、継続してトリミング作業をすすめつつ、概要目録の作成を進めている。 (3)9月18日より25日、沖縄県公文書館カー文書のうち個人情報資料(Personal Documents)を調査し、許可の出たものについてデジタル撮影した。 (4)12月28日より31日、台北市228記念館にてカー文書のパイロット調査、未公開資料のため、次年度の資料使用について館長と相談した。 これらの活動により、カーに関連する文書資料の主な所蔵先の様子はほぼ把握できた。フーバーと琉球大学については撮影まで作業が進んだが、沖縄県公文書館は資料の分量が桁違いに大きく、また、228記念館は資料へのアクセスが十分できなかったので、次年度はこれらについて重点的に作業を進めことで、所期の資料収集計画をほぼ完了できると考える。
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