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2013 年度 実績報告書

日本の高齢社会における老いと看取りをめぐる苦悩とケアの医療人類学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22520833
研究機関相模女子大学

研究代表者

浮ヶ谷 幸代  相模女子大学, 人間社会学部, 教授 (40550835)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2014-03-31
キーワード高齢社会 / 老い / 看取り / 苦悩 / 創造的ケア / 多職種連携 / 全体的生 / 在宅死
研究概要

本年度は、高齢社会において医療福祉制度の在り方が当事者である高齢者の支援にどのような影響を与えているのかを視野に入れながら、高齢者本人や家族、医療福祉の専門家、宗教者、地域住民が老いの意味や死の迎え方をどのようにとらえているかを通して、老いと看取りをめぐるケアの在り方を明らかにすることである。具体的には、A.長野県松本市とB.北海道浦河町でのフィールドワークを通して明らかにする。
A.の調査は2回(5月20日ー21日、10月17日ー19日)行った。NPO法人松本市ライフデザインセンター(LDC)主催の勉強会「『最後まで自宅で』の願いに寄り添って」(松本市あかはね医院唐木千穂医師)、そして松本市の高齢者ホーム(2ヶ所)の見学に参加した。また、篠ノ井町で開催された飯島恵道氏(東昌寺住職)の講演会(模擬葬儀を含む)「ちゃんと悲しむ、ちゃんと見送る」に参加した。B.の調査は、北海道浦河赤十字病院の精神科病棟閉鎖にかかわる関係スタッフへのインタビューと、精神障がいをもちながら地域で暮らすための仲間のサポートの在り方について、NPO法人浦河セルポのピアサポーターへのインタビューを行った。地域で暮らす精神障がい者のためのケアのあり方は、地域で老いを迎え、施設や在宅で死を迎える高齢者を看取る際のケアの在り方を考える際の参照枠となる。
調査研究の結果、老いと死に向き合う高齢者が地域で暮らすために、どのようなケアが必要か、専門家や当事者同士、地域住民によるケアのあり方について二つの共通点が見えてきた。一つは、本人や家族を交えた多職種連携である。それは、当事者の全体的生を支える暮らしの場を基盤として、職種や立場を超えて分断とならない役割分担をすることである。二つ目は、老いや死をめぐる苦悩に対して、きちんと向き合うことであり、向き合うことによって創造的ケアが生まれるという点である。

現在までの達成度 (区分)
理由

25年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

25年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 人類学フィールドで〈ローカルな倫理〉が生まれるとき2014

    • 著者名/発表者名
      浮ヶ谷幸代
    • 雑誌名

      社會學研究

      巻: 第93号 ページ: 51-78

    • 査読あり
  • [学会発表] 近代化としての「医療化」2014

    • 著者名/発表者名
      浮ヶ谷幸代
    • 学会等名
      国立歴史民俗博物館共同研究「民俗儀礼の資料論的研究」
    • 発表場所
      国立歴史民俗博物館
    • 年月日
      20140216-20140216
  • [学会発表] 精神医療における病院治療から地域医療へ:北海道浦河赤十字病院精神科病棟の減床を例に2014

    • 著者名/発表者名
      浮ヶ谷幸代
    • 学会等名
      国立歴史民俗博物館共同研究「民俗儀礼の資料論的研究」
    • 発表場所
      国立歴史民俗博物館
    • 年月日
      20140216-20140216
  • [学会発表] 「サファリングとケアの人類学的研究」成果報告2013

    • 著者名/発表者名
      浮ヶ谷幸代
    • 学会等名
      国立民族学博物館共同研究「サファリングとケアの人類学的研究」
    • 発表場所
      国立民族学博物館
    • 年月日
      20130711-20130711
  • [学会発表] 趣旨説明「サファリングとケア、その創造性」2013

    • 著者名/発表者名
      浮ヶ谷幸代(分科会代表)
    • 学会等名
      日本文化人類学会第47回研究大会
    • 発表場所
      慶應義塾大学三田キャンパス
    • 年月日
      20130608-20130609
  • [学会発表] サファリングとケアの継承性:「耕されている場」でピアであり続けること2013

    • 著者名/発表者名
      浮ヶ谷幸代(分科会個別報告)
    • 学会等名
      日本文化人類学会第47回研究大会
    • 発表場所
      慶應義塾大学三田キャンパス
    • 年月日
      20130608-20130609
  • [図書] 苦悩とケアの人類学2014

    • 著者名/発表者名
      浮ヶ谷幸代編著
    • 総ページ数
      450頁
    • 出版者
      世界思想社
  • [図書] 苦悩することの希望:専門家のサファリングの人類学2014

    • 著者名/発表者名
      浮ヶ谷幸代編著
    • 総ページ数
      400頁
    • 出版者
      協同医書出版社

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公開日: 2015-05-28  

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