研究課題/領域番号 |
22520839
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研究機関 | 新潟県立歴史博物館 |
研究代表者 |
陳 玲 新潟県立歴史博物館, 学芸課, 研究員 (10373474)
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研究分担者 |
池田 哲夫 新潟大学, 人文社会教育科学系, 教授 (50313490)
飯島 康夫 新潟大学, 人文社会教育科学系, 准教授 (20313489)
小野 博史 新潟大学, 人文社会教育科学系, 特任助教 (30573042)
中野 泰 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 講師 (20323222)
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キーワード | 災害復興 / 帰村 / 資源化 / コミュニティ / 民俗文化 |
研究概要 |
23年度も各分担者・協力者が担当集落および内容について現地調査を行った。一例として、復興のために「民俗」を従来とは異なる文脈で資源として利用する「資源化」の例として現在、中越防災安全推進機構によって計画が進められている「やまこし復興交流館」の構想における民俗資料の位置づけについて調査した。特に、中越地震の際に被災し救出された旧山古志村民俗資料館所蔵の民俗資料を展示に利用する計画があるので、生活のために生み出されたものが、博物館資料という文化資源となり、さらにそれが災害によって復興の資源とされていく過程とその持つ意味の変化に焦点をあてて調査を行い、24年度も引き続き検討を行う。 また、「展示される資料」を被災者側はどのようにみているのか聞き書きを行った。災害によって「資源化」された例として水没民家の保存への動きについて参与観察した。 また、キーワードである災害復興と「資源化」については、23年度までの調査によって、既存の何らかのモノおよびコトについて、「資源」という抽象概念で独立させたのちに、新しい価値を与え、それまでとは違った位置づけを与えること=「資源化」であり、復興過程において新たに創出されるコミュニティと、従来からあるコミュニティにとってその位置づけが異なるのではないかという仮説が構築された。今後の調査によってこれらが「資源化」するコミュニティによって実際にどのように異なるのかを明らかにすることによって災害復興における「資源化」とは、という命題に迫ることができると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
個々の現地調査は進んでいるもののキーワードである「資源化」についての議論が深化されていないこと。東日本大震災が発生し、当研究の該当地域の復興にも影響を及ぼしており、そのことを考慮に入れつつ、研究を進める必要が生じているため。
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今後の研究の推進方策 |
個々の現地調査に加え、早い段階で研究会などを行い「資源化」についての議論を行うこと。 当研究の該当地域では、震災復興の例としての意識が生まれており、東日本大震災の復興に先例として寄与しようとしている状況が生まれている。この状況を含めての調査・考察を進める。
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