本年度は、唐代を中心とする前近代中国裁判制度の特徴を再考するための基礎的な作業として、唐断獄律の1条から12条までの条文およびその註釈を翻訳し、年4回の研究会を通じて検討を重ねることを予定していたが、ほぼ計画通りに研究を進めることができた。各研究会の開催日時・場所および概要は以下のとおりである。 【第1回研究会】平成22年7月11日(大阪):唐断獄律1条(囚人の拘束方法に関する規定)・2条(脱獄幇助の罪)・3条(死刑囚からの嘱託殺人罪)の翻訳検討および意見交換を行った。 【第2回研究会】平成22年9月19日(大阪):4条(自供翻意の教唆に関する罪)・5条(支給品不提供による囚人の虐待に関する罪)・6条(拷問免除者に対する立証方法に関する規定〉の翻訳検討および意見交換を行った。 【第3回研究会】平成22年10月30日(金沢):7条(共犯者捏造に関する罪)・8条(拷問手続きに関する規定)・9条(拷問回数の限度に関する規定)の翻訳検討および意見交換を行った。 【第4回研究会】平成23年2月13日(大阪):10条(拷問に服さなかった場合の手続)・11条(他所にいる共犯者の喚問手続)・12条(告状に基づかない取調べの禁止規定)の翻訳検討および意見交換を行った。 なお、今年度予定されていた唐代研究者からの聞き取り調査は、日程の調整がつかず、実施することができなかった。
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