研究課題/領域番号 |
22530007
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中山 竜一 大阪大学, 法学研究科, 教授 (00257958)
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キーワード | 予防的介 / リスク / 刑事政策 / 国際関係 / 法哲学 |
研究概要 |
本年度は次の作業に取り組んだ 第一に、前年度に引き続き、法思想史、刑事政策理論、国際政策理論にかんする文献渉猟とその精査を行い、本研究の対象である刑事司法と外交政策の正当化論にかんする知識を十全なものとすべく努めた。並行して、「象徴的リスク」が構築され、それが「予防」的介入措置に動員されるメカニズムを把握するため、行動主義的「法と経済学」、神経経済学、社会心理学等などにかんする基礎知識の習得を継続した。 第二に、震災や災害後の緊急措置と自生的共助との関連を考える必要にあらためて気づき、法を通じた介入とそれ以外の手立てによる介入にかんする研究の端緒として、ロン・フラーによる「法と手続き」の研究に再検討を加えた。そして、その成果を、論文「「ハート=フラー論争」を読み直す-N・レイシーによる思想史的発掘から」にまとめ、公表した。 第三に、東日本大震災とその後の原発事故を受けて、予測不可能な災害に対しいかなる予防的介入がなされるべきかということにかんする暫定的考察として、第9回東アジア法哲学シンポジウム(台湾・台北市、政治大学)にて、「福島原子力発電所事故と道具主義的法文化」(The Fukushima Nuclear Crisisand the Culture of "Legal Instrumentalism")と題する報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
諸般の事情により、欧州での聞き取り調査と情報収集ができなかったため(その代わりに、国際学会での報告を前倒しで行った)。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の最終年度ではあるが、平成23年度に諸般の事情で実現することができなかった欧州での聞き取り調査と情報収集をあらためて実施したい。
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