中国人商人を債権者、外国企業を債務者とした渉外民事訴訟については、1904年から1907年にかけて漢口、上海、ロンドンで争われた民事訴訟記録に基づき、外国企業が雇い入れた中国人が、雇い主を自分たちの債務保証人にしたてたら、いかなる事情があろうともその債務を肩代わり補償する義務があることがロンドン高等法院でも確定していたことを明らかにした。逆に外国企業を債権者となって、中国人債務者とその保証人から債務取立ての民事訴訟を起こした場合については、債権を回収できるとはかぎらず、ついに第一次世界大戦終了時期にようやく、上海で商事裁判所の設立が取りざたされるようになるいきさつを明らかにした。
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