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2013 年度 実績報告書

「多様な家族」の法的保護を可能とする家族形成権と生命に対する権利の日仏比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 22530039
研究機関法政大学

研究代表者

建石 真公子  法政大学, 法学部, 教授 (20308795)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2014-03-31
キーワード家族生活を尊重される権利 / 人格権 / 生命に対する権利 / ヨーロッパ人権裁判所 / フランス憲法院 / 生殖補助医療 / 中絶 / 人権条約の国内適用
研究概要

25年度は、「『多様な家族』の法的保護を可能とする生命に対する権利及び家族形成権に関する日仏比較」に関して、特にフランスの憲法院による権利保護に関して検討した。フランスはヨーロッパ人権裁判所判決の影響で、非嫡出子相続分差別を定める民法の廃止などを行っているが、憲法上は、家族に関する権利に関しては子どもの保護と社会保障の側面から家族の保護を定めているのみである(1946年憲法前文。しかし、近年、ヨーロッパ人権裁判所から条約違反判決を下されるのを避ける目的で、憲法解釈によって「家族生活の尊重」の保護をおこなうようになっている。その方法は、違憲審査においてヨーロッパ人権裁判所の条約適合性を判断する方法である「比例原則」の導入により、権利を制約する立法に関して制約目的との比例性を問うという方法で、たとえば良心の自由を根拠として同性婚(2013年同性婚法制定)実施に反対する行政処分を、憲法上の平等違反を根拠として違憲としている。
こうしたフランスの伝統的な家族法政からの変化は、人権概念の進展とともに、ヨーロッパ人権条約という国際規範、およびヨーロッパ諸国の法制度という比較法的な影響が指摘できる。そうした観点から、フランスの人権保障における国際人権法(ヨーロッパ人権条約)の影響や条約の国内適用に関して検討した結果、人権保障分野における人権条約と憲法の競合関係において形式的には憲法が優位するものの、人権条約(ヨーロッパ人権裁判所判決)における権利解釈と相互影響関係は継続することが確認された。家族に関する法制度について、国際人権条約は家族の形成に関する自由権としての保護(国の介入の禁止)という面と、社会権として家族の維持の両面を有しており、フランスにおいては国内法制度における人権条約の適用により多様な家族の法的保護の進展が確認された。

現在までの達成度 (区分)
理由

25年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

25年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 「フランス憲法院における比例原則による基本権保護-フランス的憲法伝統とヨーロッパ法の交錯」2013

    • 著者名/発表者名
      建石真公子
    • 雑誌名

      比較法研究

      巻: 75号 ページ: 237-245

  • [雑誌論文] 「フランス2008年憲法改正における違憲審査と条約適合性審査-人権保障における憲法とヨーロッパ人権条約の規範の対立の逆説的な強化-(2)」2013

    • 著者名/発表者名
      建石真公子
    • 雑誌名

      法学志林

      巻: 111-3 ページ: 1-24

  • [学会発表] 「フランス憲法院における比例原則による基本権保護-フランス的憲法伝統とヨーロッパ法の交錯」

    • 著者名/発表者名
      建石真公子
    • 学会等名
      比較法学会
    • 発表場所
      青山学院大学(東京)
  • [図書] 憲法と人権条約2014

    • 著者名/発表者名
      建石真公子
    • 総ページ数
      560
    • 出版者
      有信堂
  • [図書] フランスのワーク・ライフ・バランス2013

    • 著者名/発表者名
      石田久仁子、井上たか子、神尾真知子、中嶋公子編著、建石真公子、赤星まゆみ、小門穂、島岡まな、辻山ゆき子、林瑞枝、藤野美都子、藤森宮子、船橋惠子、山崎文夫執筆。
    • 総ページ数
      270(担当部分105-121)
    • 出版者
      バドウイメンズハウス

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公開日: 2015-05-28  

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