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2010 年度 実績報告書

国連人権理事会における人権保障メカニズムの研究

研究課題

研究課題/領域番号 22530045
研究機関宇都宮大学

研究代表者

今井 直  宇都宮大学, 国際学部, 教授 (70213212)

キーワード国連人権理事会 / 制度構築 / 活動と機能の見直し(review) / 普遍的定期審査 / 「対話と協力」 / 国家主導型
研究概要

人権理事会の創設決議である2006年3月の国連総会決議60/251は、創設5年後に「理事会の活動と機能を見直す(review)」ことを理事会に要求しており、そのための作業部会が2010年10月と2011年2月に開催され、その検討結果が2011年3月の人権理事会において採択された。この間、創設後の理事会の活動の評価をめぐって国家、NGO、専門家など様々な主体により、また様々な観点から議論がなされた。科研費が2010年10月に追加採択されたという事情もあり、22年度はまず、この議論のプロセスを丹念に追い、その議論に見出される各行動主体による理事会の評価を整理、分析することを作業の中心に置いた。それにより、国際社会の各主体がそれぞれ人権理事会をどう位置づけ、何が問題点・課題であると考えているかが明らかになるからである。「見直し」の検討結果の内容は非常に妥協的なものであり、各主体の立場が大きく異なっていることを物語っている。たとえば新たに導入された普遍的定期審査(UPR)に関しては、審査が国連加盟国すべてを一巡した後の第2巡目以降にフォーカスされるべき点、各国に公平に審査参加の機会を保証するための手続、諸勧告に対する被審査国の態度表明の方式、受け入れた勧告に対するフォローアップの方法、国内人権委員会やNGOの審査への参加の有無、事務局を担当している国連人権高等弁務官事務所の役割などの問題をめぐって、玉虫色の決着となった。概ね、欧米諸国や日本、韓国、NGO等は制度の改革・強化に前向きであり、それに対して、アジア・アフリカ諸国の多くやイスラム諸国、ロシア等は、「対話と協力」を重視する立場から現状維持に拘泥する傾向が見られた。筆者は以前に「UPRがその典型であるように、国家主導型の枠組みが強化されつつある状況が認識されねばならない」と人権理事会の現状評価を述べたことがあるが、「見直し」のプロセスの議論とその分析をふまえ、この点についてさらに検証を進める予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 被拘禁者の国際人権保障の展開2011

    • 著者名/発表者名
      今井直
    • 雑誌名

      法律時報

      巻: 83巻3号 ページ: 4-9

  • [図書] 講座 国際人権法4『国際人権法の国際的実施』(芹田健太郎ほか編)2011

    • 著者名/発表者名
      今井直
    • 総ページ数
      執筆分30(総495)
    • 出版者
      信山社

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公開日: 2012-07-19  

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