本研究は、国際組織およびその決定における合法性の問題を検討対象として「国際組織はどのような法に拘束されるのか、特に人権規範に拘束されるのか」という分析視点から考察するとともに、国際組織の正当性向上に向けたアカウンタビリティーの分析・検討を行った。その際に、国際組織の活動が国内の私人や企業に対して直接に大きな影響を及ぼすという意味での国内レベルとの関係に注目することにより、国家中心的な国際法体系が国際組織を中心とする非国家主体をも重要なアクターとして取り込むという国際法秩序の構造変動の動きを明らかにすることを試みた。
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