研究課題
今年度は、ホワイトカラークライムに関係する主要なふたつの問題に着目した。 (1)1970年後の事業規制のグローバル化の特徴は、経済及び商法のさまざまな分野に渡り、国を越えた監査機関ネットワーク(Transnational Regulatory Networks (TRNS))として現れている。このようなネットワークの重要な例のひとつとしてあげられるのが、証券監督者国際機構 (International Organization of Securities Commissions (IOSCO))である。これらのネットワークの中心的な役割のひとつは、企業犯罪への対応である。今年度は、特に、企業犯罪への対応においてみられるこのネットワークによりなされる多様な機能を確認しながらTRNSを調べることに焦点を置いた。例えば、国境を越えた捜査や執行をより効率的にするために考えられた“investigation and enforcement networks”(捜査と執行ネットワーク)、企業の違法行為に関する情報交換の促進を目的とした “information networks”(情報ネットワーク)、実質的な手続き上の規範的基準における調和性を追求する “harmonization networks”(調和ネットワーク)”がそれである。さらに、ネットワークが多くの規定的な懸念(例えば、専門家などによる支配、伝統的な民主的手続きの透明性と回避性の欠如)を引き起こすことから、これらの問題にも着目した。(2)前年度に引き続き、今年度もcorporate criminal liabilityに対しての異なるアプローチの比較評価を試みた。この分野における法改正が、近年、ホワイトカラークライムを防ぐ目的で多くの国でなされているが、この重要な問題について考察した。今年度は、EU諸国に注目した.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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EUIJ – Kyushu Review
巻: 2 ページ: 1-5
Theoretical Criminology
巻: 17(2) ページ: 1-17
Regulatory Hybridization in the Transnatisonal Sphere, Paulius Jurcys, Poul Kjaer, Ren Yatsunami
巻: -- ページ: 171-188