研究課題/領域番号 |
22530099
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研究機関 | 大阪経済大学 |
研究代表者 |
池島 真策 大阪経済大学, 経営学部, 教授 (20308836)
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研究分担者 |
平井 裕久 高崎経済大学, 経済学部, 准教授 (40399019)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 会社法制の見直しに関する中間試案 / 株式買取請求権 / 企業価値 |
研究概要 |
現行会社法(平成17(2005)年公布)の改正作業にあたって、「会社法制の見直しに関する中間試案」のパブリック・コメントの手続きがなされ、これに関して「会社法制の見直しに関する中間試案」について」というテーマで報告した。そこでの質疑応答や意見などを再度考察し、「「会社法制の見直しに関する中間試案」によせて」というテーマで、論文にまとめた(大阪経大論集第63巻第1号(通巻第328号)2012年5月)。特に、中間試案にあがっている「第2部親子会社に関する規律」としてあげられている「キャッシュ・アウト」や「組織再編における株式買取請求等」といった制度が取り上げられている。特にキャッシュ・アウトは、少数株主が多数決により株主の地位を奪うこと自体の問題とともに、キャッシュ・アウトに際して少数株主に交付される「対価の適正さ」という問題もあり、ますます企業価値評価の問題がより重要性を増すものである。 また、開示情報の制度に関して、例えば企業価値に影響を与える重要な要因として“ヒト”に関する問題が考えられる。労働環境により従業員の生産性や満足度が大きく作用され、この結果が業績と結びつき、最終的には企業価値に影響を与える。従業員の労働環境、すなわち雇用に係る項目は、有価証券報告書の「従業員の状況」において示されているが、開示情報は必ずしも十分ではない。それ故、企業価値評価においては、“ヒト”、“モノ”、“カネ”、“情報”の様々な要因に関する充実した情報開示が求められ、制度の整備が期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
関東と関西という物理的な距離だけでなく、研究者自身が抱える学内業務および他テーマの研究との時間的バランスを設けることに苦慮している。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度ということもあり、今まで以上に緊密にコミュニケーションを図り、論文・学会報告などの成果を目指したい。
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