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2011 年度 実績報告書

デジタルネットワーク環境における著作権法モデル

研究課題

研究課題/領域番号 22530109
研究機関帝塚山大学

研究代表者

高 榮洙  帝塚山大学, 法学部, 教授 (90412121)

キーワード著作権政策 / ISP責任 / デジタル・ネットワーク時代 / 知的財産推進計画 / 知的財産サイクル / 知的財産戦略本部 / 知的財産の創造、保護、活用 / 共同不法行為責任
研究概要

本研究は、デジタル・ネットワーク時代における著作物の創作と利用を巡り、「創作者、利用者、仲介者間の利益調整」を反映させた新たな制度設計を試みるものである。平成23年度の研究成果としては、韓国における米韓FTAやEU韓FTA発効に伴う著作権関連法改正の分析と、EU主要国における著作権の集中管理システムの運用状況の分析とにまとめることができる。
前者においては、デジタル環境における著作権者の権利をバランスよく保障するために、(1)一時的保存も複製権の範囲内に含まれることを明確にしたこと、(2)法定損害賠償制度を導入することで、実際の損害額と法定損害額とを選択できるようにしたこと、(3)著作物の公正な利用を確保するために、著作物の通常の利用方法に抵触せず、著作者の正当な利益を不当に害しない場合には、著作権者の許諾なしに利用が可能になったことなどを明らかにし、日本の著作権法への示唆に値するものといえる。
後者においては、著作権の集中管理制度が、著作者の利益確保と利用者の利用機会の保障を図るために世界各国で用いられるものであるが、従来各国の運用状況を調査する限り、共通にして著作権管理業務が少数の団体に集中し、市場支配的地位を濫用するケースもあり、競争法的な観点からの議論状況をまとめた。また、著作権の権利処置などの管理業務の容易化および活性化、かつ新たな団体の市場参入への容易化および活性化を図るために、インターネット関連技術や著作権管理技術がどのように寄与でき、活用されうるのか、という観点から、その有効性と問題点を検討している段階である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

全体の研究内容は、保護要件、権利構成、侵害判断、救済措置、権利処理、紛争解決からなっており、侵害判断と、権利処理についての研究がまとまりつつあり、保護要件、権利構成、紛争解決については、最終年度の研究によりまとめる予定としている。

今後の研究の推進方策

今後の研究計画は、残された課題(保護要件、権利構成、紛争解決)の遂行である。具体的な研究対象は、保護要件において、創作性要件の緩やかな解釈の可能性、権利構成において、準物権から債権化構成の可能性、紛争解決において、IT環境の活用による調停・仲裁の活性化手法、などからなっている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] The Matrix in making contents policy2011

    • 著者名/発表者名
      高榮洙
    • 学会等名
      韓国コンテンツ学会主催国際学術大会
    • 発表場所
      フィリピン マニラ
    • 年月日
      2011-11-18

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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