研究課題/領域番号 |
22530112
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
井上 拓也 茨城大学, 人文学部, 教授 (70291284)
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キーワード | 消費者 / 利益団体 / 行政機関 / 政治過程論 / 比較政治 |
研究概要 |
本研究の目的は、日本の消費者庁とアメリカの消費者金融保護局(金融消費者保護庁より名称変更)の設置過程における両国の消費者団体の政策選好の相違を、公共利益の一元主義と多元主義というアイディアの相違によって説明することである。 このような目的から、平成23年度には、まず本年度分の補助金によって、以下のような作業を行った。 海外では、5月に香港で開催された国際消費者機構(Consumers International)の世界大会で調査・資料収集を行った。本研究は、日本の消費者団体の政策選好が、ドイツの団体のそれと共通しており、また消費者保護庁を設置する際に、日本の消費者団体がドイツのそれの影響を受けていたと考えている。そのため前記大会では、アメリカ、イギリス、ドイツなどの消費者団体について調査し、日本とドイツの団体の政策選好の例外性、およびドイツの団体の日本のそれに対する影響を明らかにしようとした。また3月にアメリカに渡航し、ユタ大学のRobert Mayer氏から、消費者金融保護局の設置過程におけるアメリカの消費者団体の動向について聞き取り調査を行った。また合わせて、日本とアメリカの消費者団体の比較研究について研究打合せを行った。 国内では、昨年度に引き続き、消費者団体の政策選好を分析するための枠組の検討を行うとともに、全国消費者団体連絡会を初めとする団体の調査を行った。 以上のような作業に基づいて、3月に、一連の研究成果の発表の第一弾として、下記論文の執筆および公刊を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度の東日本大震災への対応、および学内行政の増大によって、全体的に研究の進捗が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
まず6月までに日本の消費者団体の歴史的分析に関する論文、ドイツの消費者団体に関する論文、国際消費者機構に関する論文を公表する予定である。その後、再度のアメリカでの調査を経て、追加の論文を書くとともに、それらをまとめて研究報告書とする予定である。
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