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2012 年度 実績報告書

ガバナンス時代における政策実施の実証研究

研究課題

研究課題/領域番号 22530114
研究機関学習院大学

研究代表者

伊藤 修一郎  学習院大学, 法学部, 教授 (70323326)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード政策実施 / 権限移譲 / ガバナンス / 市民協働 / 政策アウトカム / 職員意識 / 屋外広告物 / 組織構造
研究概要

政策実施の実態を屋外広告物規制政策に関する事例研究と質問紙調査によって明らかにした。政策を実施する自治体及び規制を受ける屋外広告業者に対する調査(2011年度実施)だけでなく、ステイクホルダーとしての市民に対する調査も2012年度の補助金で実施し、多面的に政策実施の実態を解明した。2012年度は文献調査、聞き取り調査、質問紙調査の結果の分析に注力した。それによる発見の概要は以下のとおり。
1)自治体に関する分析においては、都道府県の政策実施を単に市区町村に委任するのでは、実施方法もアウトカムも都道府県が実施するのと比べて改善しないことが明らかになった。条例制定権を含めて権限移譲して初めて、組織のあり方、実施方法、職員意識が改善し、アウトカムもよくなることが解明された。
2)屋外広告業者を対象とした分析では、条例制定権まで移譲された自治体できめ細かい厳しい政策実施を行っていることが明らかになり、1)の発見が屋外広告業者の観点からも確認された。屋外広告業者の現状認識は、条例違反がはなはだしいととらえている点など、自治体担当者の認識と概ね合致している一方で、自治体による政策実施の現状については、自治体担当者自身の認識より厳しく評価する傾向にあり、違反者に対しては厳しい対応を求めるなど、緩やかな対応に終始しがちな自治体の姿勢との間でかい離がある。
3)市民意識の分析からは、市民にとって屋外広告規制の優先順位は高くないことが確認された一方で、景観保全と対比して、土地建物の利用権、自由な経済活動、利便性などの優先度を尋ねたところ、6-8割の回答者が景観保全を優先するという傾向が示された。財政資源が限られていても、約5割の回答者が取締強化を求めるという予想外の結果も得られた。
以上の成果を3本の論文として発表した。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 屋外広告物政策の実施:地方自治体への「権限移譲」は違いを生むか2013

    • 著者名/発表者名
      伊藤修一郎
    • 雑誌名

      学習院大学法学会雑誌

      巻: 48巻2号 ページ: 3-43

  • [雑誌論文] 屋外広告物規制に係る事業者の意識:屋外広告業アンケート結果から2013

    • 著者名/発表者名
      伊藤修一郎
    • 雑誌名

      学習院大学法学会雑誌

      巻: 49巻1号

  • [雑誌論文] ガバナンス時代の政策実施:権限移譲、職員意識、協働は屋外広告物政策のアウトカムに違いを生むか2012

    • 著者名/発表者名
      伊藤修一郎
    • 雑誌名

      季刊行政管理研究

      巻: 140号 ページ: 2-19

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公開日: 2014-07-24  

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