研究課題/領域番号 |
22530115
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
水島 治郎 千葉大学, 法経学部, 教授 (30309413)
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研究分担者 |
土倉 莞爾 関西大学, 法学部, 教授 (00067703)
津田 由美子 獨協大学, 法学部, 教授 (30247184)
野田 昌吾 大阪市立大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (50275236)
伊藤 武 専修大学, 法学部, 准教授 (70302784)
中山 洋平 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (90242065)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | キリスト教民主主義 / 新右翼 / 福祉国家再編 / 保守主義 |
研究概要 |
本研究最終年度である2012年度は、これまで3年間の研究成果の総括を行うとともに、研究成果の公開を積極的に進めた。ヨーロッパで1990年代に各国で政権を外れ、結党以来の危機を迎えたキリスト教民主主義政党は、さまざまな模索を経て現在、キリスト教民主主義の名を外す政党も出てきているが、各国政治に関する専門家を結集した研究メンバーにおける検討により、キリスト教民主主義政党の帰趨には様々なパターンが存在し、「革新」を実現できたかどうかについては国ごとにに大きな相違があることが明らかとなった。キリスト教民主主義政党の「革新」の成否は、党構造(党内に革新を起こしうる制度的土壌があるか)、党・社会団体間の関係(とりわけ系列団体との関係)、政党間の競合関係(対抗政党との競合のパターン)に大きく依存していることが指摘できる。とりわけ現在は、新右翼ポピュリズム政党との対抗関係が影を投げかけており、既得権益と同一視されがちなキリスト教民主主義政党がポピュリズムによる批判の矢面に立たされた場合、そのダメージが大きくなる傾向が強いことも明らかとなっている。こうした研究成果については、2012年6月の比較政治学会において、「「保守」のヨーロッパ:保守主義vs.キリスト教民主主義」と題するセッションを主宰し、従来、キリスト教民主主義の最大の好敵手であった保守主義との比較検討を行いつつ、キリスト教民主主義研究のさらなる展開をはかったほか、研究メンバーによる論文発表、著書公刊も進められた。研究代表者(水島治郎)の単著『反転する福祉国家:オランダモデルの光と影』(岩波書店、2012年)の第三章は、本科研の成果の一部であるが、同書は10紙(誌)の書評の対象となり、刊行後6か月で重版となっており、科研成果の幅広い公開・普及が実現できたといえるだろう。関係の皆様に感謝したい。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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