研究課題/領域番号 |
22530119
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
久邇 良子 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (20313281)
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キーワード | 政治学 / 欧州統合 / ガバナンス / フランス |
研究概要 |
当研究は、欧州統合の進展とフランスの地方制度をめぐる諸問題の考察皆通して、中央・地方の政府間関係の中に見られるフランス独特の政治文化の特色を明らかにし、それらを、現代先進諸国の市民参加型の民主主義体制の中に共通にみられる諸要素、さらには政治なるものの中に存在する恒常的諸矛盾の再確認に結びつけることを目的としている。 当研究では、EUにおける政策決定に加盟国の中央政府ならびに地方政府が絡むガバナンスの様相をとらえることが重要なポイントであり、23年度の研究では、22年度の研究に引き続き、欧州統合の進展に伴いその重要性を増してきた欧州地域政策の政策決定過程について検討した。 欧州地域政策は、域内地域間の経済的・社会的不均衡の是正・拡大予防をその目的とし、政策を具体化するための手段であるEUの構造基金を通して、域内地域における経済振興政策への助成を行う。その特徴は、富裕国から貧困国への所得移転のみならず、地域の課題を解決するためのプログラム支援を行うこと、また政策の執行・運用におけるEUの諸機関、加盟国政府、地域間のパートナーシップが重視されてきたことである。中東欧諸国の新規加盟に伴い深刻化したEU域内の地域間格差是正をはかる政策手段として、欧州地域政策はEUの政策分野の中で、近年ますます注目されるようになってきた。この欧州地域政策が、当該政策の履行過程における分権や補完性の原則を強調することから、欧州地域政策は欧州における多層ガバナンスの発展を促進してきた。そのガバナンスの様相について、本年度、フランスを事例に行ってきた分析の結果をまとめ、安江則子編『EUとフランス』に分担執筆の形で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
これまでの研究内容を『EUとフランス』(安江則子編、法律文化社)に分担執筆の形で発表する機会を得たため
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今後の研究の推進方策 |
研究当初は想定しなかった欧州金融危機が、本研究の中心テーマである欧州地域激策にも今後大きな影響を与えていくことが予想されるため、この争点も含めた論考を加えながら、当初の研究計画に従って研究を進めていく。
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