研究概要 |
中国所在の資料館や図書館が所蔵する文献資料の調査と収集にあたった。具体的には、東北師範大学図書館(長春、平成23年8月22日)、遼寧省文書館・東北大学図書館(藩陽、同年8月26日)、旧満鉄図書館(大連、同年8月28日)などである。また、長春では残存する旧満州国関係の建築群の調査や植民地史研究者たちとの情報交換を行った。さらに、本研究に関連するテーマに関わる講演会や研究発表を行った。例えば、韓国外国語大学校日本研究所創立50周年記念シンポジウムでは「日本人の歴史認識と朝鮮近代化論」(平成23年5月14日)、韓国嘉泉大学校主催国際シンポジウムにおいて、「朝鮮近代化論とトランスナショナリズム」(平成24年1月13日)、中国重慶西南大学を会場に中国教育部重大攻関項目報告会にて「日本陸軍の中国侵攻計画」と「日本の戦争指導体制と日中戦争」(平成23年11月25,26日)の報告を行なった。この他に中国のCCTVから「近代日本の政治と戦争」と題するインタビューを受け、その中で本研究テーマに関して、植民地官僚の思想と行動に関する研究成果を論じた。以上、平成23年度における研究実績について、主に中国及び韓国における資料収集や研究交流を通して、本研究への新たなアプローチの大枠を把握することに務めた。これらの研究成果を整理し、先行研究との照合作業を鋭意進めることができた。これらの作業を並行して進めていた自著「日中戦争とは何だったのか」を「何謂日中戦争?」と題して台湾で出版出来た。本著でも植民地に関わる論述を行っている。
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