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2012 年度 実績報告書

福祉国家と世代間連帯についての政治学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22530129
研究機関首都大学東京

研究代表者

堀江 孝司  首都大学東京, 人文科学研究科(研究院), 准教授 (70347392)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード福祉国家 / 世代 / 福祉政治 / 福祉と世論 / 連帯
研究概要

社会保障制度の給付と負担における世代間格差への関心が高まっているが、若い世代に自分たちは「損」だという意識が広がることは、福祉国家の基盤である社会連帯を掘り崩しかねない。だが、日本ではこの世代間の潜在的な対立を、「政治」の問題として理解し研究する努力はまだ乏しい。私は近年、福祉と世論についての研究を進め、信頼や連帯といった価値が福祉国家の維持・発展にとって重要であることを認識するにいたった。
本課題の3年目である2012年度には、従来の延長で福祉と世論についての研究を継続しつつ、その中で連帯などの価値の構造を探り、人びとの意識やイデオロギーのレベルで、世代間連帯の問題がどのように構築されているかを検討した。その一部については「福祉政治と世論」(宮本編『福祉政治』所収)という形で論文にした。また、具体的な政策に関する研究としては、子育て支援や児童手当に対する世論並びに政党のスタンスについて、選挙学会報告論文において検討した。
そして、刊行は2013年度になってしまったが、「世代間の対立/連帯と福祉国家」(松尾・臼井編『紛争と和解の政治学』所収)という論文では、本研究課題の中心的なテーマに取り組んだ。ポイントは多岐にわたるが、世代の問題がクローズアップされる中、日本でも福祉国家の連帯が動揺している点をさまざまなデータで確認するとともに、それがすぐれてデモクラシーの問題であることを指摘し、世代を超えた政策課題については、政策決定を政治から遮断することを求める諸議論を検討した。その上で、年齢・世代以外に我々がもつアイデンティティの多様性に注意を喚起するとともに、問題の切り取り方をめぐるアイディアの政治の観点から問題が捉えられること、異なる世代の損/得や幸/不幸の比較上の諸困難、さらにはこれから生まれる将来世代をどう配慮するかという問題をめぐる諸論点などについて検討を加えた。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 書評 新川敏光編著『福祉レジームの収斂と分岐:脱商品化と脱家族化の多様性』(ミネルヴァ書房、2011年)2012

    • 著者名/発表者名
      堀江孝司
    • 雑誌名

      海外社会保障研究

      巻: 181 ページ: 66-70

  • [学会発表] 日本のジェンダー平等政策・少子化対策における「女性」像と政党

    • 著者名/発表者名
      堀江孝司
    • 学会等名
      日本選挙学会
    • 発表場所
      筑波大学
  • [図書] 紛争と和解の政治学2013

    • 著者名/発表者名
      松尾秀哉・臼井陽一郎編
    • 総ページ数
      298
    • 出版者
      ナカニシヤ出版
  • [図書] 福祉政治2012

    • 著者名/発表者名
      宮本太郎編
    • 総ページ数
      190
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
  • [図書] 現代社会学事典2012

    • 著者名/発表者名
      大澤真幸・吉見俊哉・鷲田清一(編集委員)
    • 総ページ数
      1590
    • 出版者
      弘文堂

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公開日: 2014-07-24  

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