ニュー・パブリック・マネジメント(New Public Management : NPM)の典型国とされるニュージーランドの公的部門改革の成果と欧米諸国に倣いNPM改革を進めてきたとされる日本の公的部門改革の成果とを「政府の大きさ」という観点から比較することによって、NPMの実像を明らかにすること、より具体的に言えば「NPM=小さな政府」であるとは必ずしも限らないのではないかという仮説を検証することが当初の計画の目的であった。そのために、(1)一般政府支出、(2)公務員数という2つのデータを収集したが、内訳を含めた正確な比較はやはり困難であるという結論に達した。 2011年2月と3月にはNZと日本で相次いで大震災が発生したため、一部研究計画を変更し「震災復興政策に与えた影響」という観点から80年代以降の公的部門改革の成果を測ることにした。2012年3月には10日間のニュージーランド現地調査を行い、公的部門改革が震災復興政策に与えている影響を自分なりに把握することができた。「迅速な対応」「組織間の横断的調整・協働」「市民参加」の3点から公的部門改革の影響・成果をまとめ、2012月5月の日本行政学会で発表する予定である。
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