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2010 年度 実績報告書

北アイルランドにおけるコミュニティ間の共存に向けた統治システムの開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22530144
研究機関立命館大学

研究代表者

南野 泰義  立命館大学, 国際関係学部, 教授 (60268141)

キーワード北アイルランド / 権力分有 / ナショナリズム / ユニオニズム / リパブリカン / ベルファスト和平合意 / セント・アンドリュース合意 / ヒルズボロ合意
研究概要

本研究は、北アイルランドでの現地調査をもとに、武力行使をともなう紛争を予防、回避、平和的手段によって解決し、長期的展望として、カトリック系とプロラスタント系エスニック・コミョニティ間の公正で共存可能な関係を構築していくための原則と政策形成の方法を開発することを目的としている。本研究の特徴は紛争処理における政策形成過程とその運用過程に着目し、北アイルランド紛争における現実的な解決にむけたオルタナティブを開発することにある。
平成22年度の研究において、プロテスタント系政治団体、とくにUUPとDUPの和平合意反対派の政治姿勢とその支持母体の動向に関するデータの収集とその解析、1998年和平合意以降のプロテスタント系住民とカトリック系住民との間に存在する地域的な分離傾向と職種上の種別化などの社会的諸問題への影響について、和平以降10年間の両派コミュニティの関係の変容プロセスに関する実態的な調査とデータの解析に集中した。その結果、(1)クロス・コミュニティ化の進展により、居住、雇用、就学において、プロテスタント系住民とカトリック系住民との融合が進みつつあるが、そのことがプロテスタント系中間層を中心にして、他の地域への転出を誘発するなど、インターフェース(両コミュニティの境界)の液状化、それに伴うコミュニティ間の力関係の変化が生じているという点、(2)和平合意後、融合と異化が同時に進行することにより、両コミュニティのアイデンティティの弛緩化と再編成、日常レベルでの摩擦の恒常化という新たな問題が発生してきているという点が明らかになった。
平成23年は、こうした平成22年度の到達点をもとに、継続して実態的な資料の収集を進め、その研究成果を公表していくことに集中する。

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公開日: 2012-07-19  

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