研究課題/領域番号 |
22530146
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
土倉 莞爾 関西大学, 法学部, 教授 (00067703)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 大統領選挙 / 総選挙 / 市町村議会選挙 / オランド大統領 / フランス経済 / UMP / 社会党 / マリーヌ・ルペン |
研究概要 |
2012年にはフランス大統領選挙と総選挙が行われた年であったが,2013年はそれらの国政選挙の意味について,日本の学会で発表したり,大学の研究紀要に執筆した年であった。と同時に,9月,11月,1月に現地追跡調査のために渡仏した。現地,パリで多数の研究者と面談し,新聞週刊誌,新刊書籍を購入した。これらは1年後のフランス選挙政治の研究の貴重な資料となる。 2014年は市町村議会選挙とEU議会選挙のある年となるが,2012年と2014年を結ぶ結節点として2013年は重要な年であった。現在までの研究成果にたって,現在のフランス(選挙)政治の問題点として次のように要約することができる。①オランド大統領の不人気,②フランス経済の低迷,③野党UMPの結集度,④FNのマリーヌ・ルペンの指導力。以上は今後の研究の柱ともなる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
すでに,2011年に『拒絶の投票』という著書を刊行し,その後も現代フランス選挙政治に関わる,論文,学会発表を行なっている。『拒絶の投票』において,フランスの選挙政治が2002年を境として大きく変わったということを立証した。この年の大統領選挙で,FNが第1回投票で社会党をしのぎ,決選投票に進出した。第2回投票ではシラクのUMPが圧勝した。2013年の論文(学会発表も同テーマである)「社会党の政権奪還」において,2012年大統領選挙では,社会党が勝利したが,これはサルコジの自滅であることを立証した。オランドは相手を圧倒したのではなかった。第3極を目指すFNのマリーヌ・ルペンの健闘も解明した。以上であるが,フランス選挙社会学の特色である「選挙の地理学」については紹介不十分であった。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の方向としては,昨年も述べたことであるが,フランスの現大統領オランドの政策を検討しつつ,フランス政治のなかで議会制民主主義が十全に機能しているかどうかさらに考察してみたい。 具体的には,オランドの戦略は正しいか?野党UMPは次期大統領選挙で政権を奪還できるか? 第3勢力にのし上がってきたFNは今後どのように行動するのか,政治制度論と政治過程論の両面から解明してゆきたい。
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