研究課題/領域番号 |
22530148
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研究機関 | 別府大学 |
研究代表者 |
篠藤 明徳 別府大学, 文学部, 教授 (80310952)
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研究分担者 |
日詰 一幸 静岡大学, 人文学部, 教授 (30241152)
伊藤 雅春 愛知学泉大学, 現代マネジメント学部, 教授 (30465504)
佐藤 徹 高崎経済大学, 地域政策学部, 准教授 (50363776)
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キーワード | 市民討議会 / 討議デモクラシー / 無作為抽出 / プラーヌンクスツェレ / 熟議 / 市民参加 / 地方自治 |
研究概要 |
国内調査として、2006年から2010年度までに実施された市民討議会の事例を、小針憲一氏の協力を得て集め、データ・ベースを構築した。その全国調査の結果を分析し、11月13日、日本地方自治学会において、佐藤がその成果を報告した。また、全国調査の成果の一部は、篠藤が「討議デモクラシーの挑戦」(篠原一編、岩波書店)で発表している。事例調査としては、群馬県高崎市において9月3日、4日に実施された市民討議会に関し、佐藤が参加者、非参加者を対象に質問票調査や会場での討議記録等を行った。また、10月30目、11月6日に実施された愛知県豊山町での市民討議会でも、ほぼ同内容の質問票調査が、前田洋枝氏(南山大学専任講師)の協力を得て、伊藤によって実施された。 海外における調査では、8月19日から9月12日にかけて、篠藤は、ドイツにおいてプラーヌンクスツェレの調査研究を行い、考案者であるディーネルの構想が明らかにされ、これまでの実施事例の資料を入手できた。また、日詰は、7月5日から7月14日までアメリカにおいて、アメリカ・スピークス(ワシントン)、自治体国際化協会(ニューヨーク)、ケッタリング財団(デイトン)の取材をおこない、特に、地域レベルの市民の討議集会と情報ネットワーグや全国支援の関わりを調査した。 これまでの2年間の研究成果を踏まえ、研究代表者である篠藤は、2012年3月9日、東京で開催された第5回市民討議会・見本市にて、「市民討議会の質保証の基準とシステム」の概略について講演を行った。同見本市は、市民討議会を実践する人々が多く参加するため、改善策の構築について貴重な意見交換が出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定をしていた全国調査の分析、高崎市と豊山町の質問票調査等、アメリカ、ドイツにおける調査を順調に実施することができ、最終年度における分析と研究の準備が出来た。また、本研究の目的である市民討議会の改善策の構築についても、その方向性について要約を発表し、議論を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
2012年度が研究の最終年度になるが、全国調査について2011年度末までのデータを含め分析を進め、2つの事例については収集したデータに基づき分析をする。市民討議会の改善策の構築について、2011年度末に方向性を示した土台の上で、質保証の基準の策定やそのためのシステムについての提案をまとめる。しかし、その際、討議時間の確保や小テーマの構造等について、討議デモクラシーの観点から、どの程度提言できるか、現状ではまだ明らかではない。また、市民討議会はドイツのプラーヌンクスツェレをモデルに開発されているが、他のミニ・パブリックスの手法の知見をどこまで適用できるかなどの課題が残っている。
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