• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実績報告書

グローバルな規範的概念の形成過程―保護責任、移行期正義、人間の安全保障の比較

研究課題

研究課題/領域番号 22530153
研究機関神戸大学

研究代表者

栗栖 薫子  神戸大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (00294968)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード国際規範 / 人間の安全保障 / 移行期正義
研究概要

本課題では、グローバルな「規範的概念」の形成と普及において、どのような国際プロセス、国内プロセス、また双方の相互作用が見られるのか等を、一次資料の分析と関係者への広範な聞き取りを通じて明らかにした。最終年度には、ニューヨークの国連代表部において、人間の安全保障に関する国連総会決議の推進者となった人々への聞き取りを行った。
人間の安全保障の規範形成において、日本は主要な役割を果たし、2000年代初頭には国際委員会の設置に貢献した。その後、メキシコらとの非公式連合が形成され、加盟国の多くを巻き込んで規範の普及が図られた。特徴的なのは、途上国を含む加盟国が国内的な既存の規範や実行と適合的な概念解釈を行ったことであり、その内容が国際的な規範普及の過程においてさらに同概念に影響を及ぼしていったというスパイラルの過程である。これは特定の規範がいったん形成されると規範起業家によってそのまま普及されるという、従来の構成主義モデルとは異なる結果であった。この成果は『コンストラクティビズムの国際関係論』(大矢根聡編、共著書、2013)、New Approaches to Human Security in the Asia Pacific(Bill Tow他編、共著書、2013)において公刊した。
また移行期正義の概念形成と普及においても、研究協力者が明らかにしたように、国境を越えた規範起業家の活動を通じて、特定地域で登場した移行期正義の規範が他の地域にも普及していった。その際には、ローカルな慣行や規範の影響を受けて、グローバルな規範の側にも変化が見られた。これらの事例から、グローバルな規範的概念の形成と普及においては、国境を越えたレベル、国内レベルの相互作用を組み込んだモデルが一定の説明力を持つ可能性があるといえる。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 書評 福島安紀子著『人間の安全保障―グローバル化する多様な脅威と政策フレームワーク』2012

    • 著者名/発表者名
      栗栖薫子
    • 雑誌名

      国連研究

      巻: 13 ページ: 238-242

  • [図書] In serach of a more proactive international role: the political dynamism behind political security in Japan, in New Approaches to Human Security in Asia, ed. by Bill Tow et.al.2013

    • 著者名/発表者名
      Kaoru KURUSU (R. Kirsten trans)
    • 総ページ数
      総ページ190
    • 出版者
      Ashgate
  • [図書] 「安全保障―多国間フォーラムにおける概念の普及過程」『コンストラクティビズムの国際関係』(大矢根聡編)2013

    • 著者名/発表者名
      栗栖薫子
    • 総ページ数
      (29-52) 総ページ304
    • 出版者
      有斐閣
  • [図書] 「「新しい戦争」と「人間の安全保障」―アフガニスタン復興支援」 『「戦争」で読む日米関係100年―日露戦争から対テロ戦争まで』(簑原俊洋編)2012

    • 著者名/発表者名
      クロス京子・栗栖薫子
    • 総ページ数
      (268-89)総ページ328
    • 出版者
      朝日選書

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi