本研究では、国際レジームを核とするパブリック・ガバナンスが存在する問題領域においてNGOや企業が主体となるプライベート・ガバナンスの出現を可能にした要因及び、パブッリク・ガバナンスとプライベート・ガバナンスが補完的に相互作用する条件について実証的に検討した。前者に関しては、分析の結果、パブリック・ガバナンスが経済領域と社会領域に分断されていて、社会領域において「規範の空白」が存在していたことが要因として抽出できた。また後者に関しては、異なるガバナンス・システムの限界を補うような役割分担を示す共通知識の形成が必要であるという暫定的な結論が得られた。
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