ポスト 9.11 期のドイツは、連邦軍の国際協調活動に関して、外交・安全保障政策の政策概念である「包括的アプローチ(die vernetzte Sicherheit)」を発表し、国内外の理解を得るべく努力を重ね、広報外交の重要な柱としてきた。軍事的任務だけでなく、民生活動も合わせ実施するこのアプローチが重要だと国際社会に訴え、優れて軍事的な任務の引き受けを回避しつつ、民生活動を進めることで、国内世論に根強い不戦の原則に配慮しながら、単独主義を避けることができるため、国際世論にも国内世論にも一定の説得力を持つという点で広報外交上一定の有効性が認められる。
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