研究課題/領域番号 |
22530166
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
伊藤 剛 明治大学, 政治経済学部, 教授 (10308059)
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キーワード | 米中関係 / 戦略的あいまい性 / 政治交流 / 政治的影響力 / 民主化 / テクノクラート / 日米中関係 |
研究概要 |
本年度は、私がカナダでの研究活動を行っていたこともあって、北米地域から見た米中政治交流に関する検証を前半に行い、後半には中国の影響が大きくなることによって影響を受ける東南アジアと台湾における対中認識をサーベイした。 前半に関しては、2011年度予算を概して書籍代、資料代金、コピー代金で処理をしている。米中政治交流そのもの、アメリカ外交、中国外交に関する書籍や資料が、そのほとんどである。後半に関しては、インドネシアへの出張を1回、台湾への出張を1回行い、その際の渡航費や宿泊費として使用した。なお、他の予定から私が直接赴けない資料収集に関しては、助手を派遣してその業務に当たらせた。 資料から明らかになってきたことは、中国・ASEANのFTAが順次実現していくにつれ、中国製品のベトナム、タイ、フィリピン等への流入、そして人民元を決済通貨とした取引がスタンダードとなってきていることである。その中で、ベトナムやフィリピンが、アメリカとの連携を模索する等、ASEAN諸国としても中国の影響があまりにも大きくなりすぎない政策を着々と取っている。 しかし、他面で米中間の政治交流が頻繁に行われるにつれ、これまでの関税、人的交流のほかにも、人権、通貨といった政治体制と直接関わる事柄についても討議のテーブルに上がり始めたことは確かである。今後は、このようなセンシティブな課題にも接近していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
資料上の問題があり、入手した資料のほとんどはアメリカ側のものであることが、研究の達成度をやや不満なものにしている。
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今後の研究の推進方策 |
研究の進捗状況は、中国の情報公開とも密接に関連するので一進一退であるが、今後も資料の収集には尽力したい。
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