平成25年度には、民主党政権におけるいくつかの事例研究をまとめ本や論文の形で発表した。まず、平成25年4月には『政治主導VS官僚支配-自民政権、民主政権、政官20年闘争の内幕』という本を朝日選書から出版し、より詳しく外交政策の事例を扱った。ここで主に扱ったのは、鳩山政権における普天間飛行場移転問題と、菅・野田政権における尖閣問題への対応だった。 鳩山政権では現行の移転計画を薦める外務・防衛官僚の声を無視し、独自の計画を見つけようとして頓挫した鳩山首相の様子を分析した。菅内閣では鳩山の官僚排除路線を変更しようとしたが、尖閣問題において官僚の有効な活用ができず、非常にぎこちない対応に なってしまった。これに対照的なのは野田政権で、官僚の専門知識をフルに活用し、香港の活動家の尖閣上陸に対応した。このように民主党政権下での三つの内閣の異なった対応について分析した。 また平成25年9月にはコロンビア大学出版から、Contemporary Japanese Politics:Institutional Changes and Power Shiftという本を出版し、民主党政権における制度変化とそれによる外交政策の変化について分析した内容を出版した。さらに平成26年3月には“Searching for a Dream Plan: Two-Level Game Analysis of the Futenma Relocation Issue Under the Hatoyama Cabinet”という題名で、普天間基地における鳩山政権の政策決定についての研究をJapanese Journal of Political Science誌に発表した。
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