研究概要 |
本年度は異質な時間選好率をもつ個人を含むマクロモデルを構築し,Intra-personal gameの均衡を導出することに成功した.まず資本蓄積がないマクロモデルにおいて2つの政策,消費税と貨幣供給の変化について分析を行った.まず消費税については以下の結論を得た.通常の同質的な時間選好率を持つ個人から構成されるマクロモデルにおいては消費税の最適な課税率は0になるが,本研究のような異質な時間選好率を持つ個人から構成されるマクロモデルにおいては最適な消費税率が0にならないことを示すことができた.第2に,貨幣供給に関しては次に結論を得た.通常の同質的な時間選好率を持つ個人から構成されるマクロモデルにおいてはフリードマン・ルール(名目金利がゼロ)が最適になるが,本研究のような異質な時間選好率を持つ個人から構成されるマクロモデルにおいてはフリードマン・ルールが最適にはならないを示すことができた 次に資本蓄積をマクロモデルに導入することができた.現在は数値計算によりマクロモデルの動学分析を行い消費経路,資本の蓄積経路の動態について分析を行っている また,便益とコストが同時に発生する場合について便益とコストにて移用する割引率が異なる場合のミクロ的な分析を行い個人の決定に関して新しい結果を得ている
|