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2010 年度 実績報告書

サーチ理論による分権的市場経済の分析

研究課題

研究課題/領域番号 22530183
研究機関九州大学

研究代表者

今井 亮一  九州大学, 留学生センター, 准教授 (10298507)

キーワードサーチ / マクロ経済学 / 労働 / 貨幣 / 産業組織
研究概要

この科学研究費補助金は、平成22年度からの繰越として、平成23年度に支出された。繰越の理由は、平成23年3月11日に発生した東日本大震災によって、当初、招聘来日が予定されていた外国人教授が来日をキャンセルしたため、私が出席予定のコンファレンスがキャンセルされたことである。したがって、研究実績は、よく平成24年3月に延期開催されたこのコンファレンスで私が報告した内容ということになる。
サーチ理論の研究テーマは、多岐にわたるが、だいたい労働市場と貨幣理論とその他、に大別される。今井はもっぱら「その他」に該当する産業組織関連の研究を行っている。具体的には、中古市場における製品リサイクルとそのマクロ的影響のモデル化である。中古品というと、書籍や音楽CDのような小さなものから住宅や自動車など大きなものまで、市場の幅が広い。例えば、住宅や自動車の買い替えサイクルは、マクロ経済変動の大きな要素であるが、精緻な分析はこれまであまり行われてこなかった。今井のモデルでは、消費者の選好(具体的には生活事情を含む)が変化することによって、中古品が「創造(create)」される。その結果、新品に対する評価の高い人が中古品の売り手となり、評価の低い人が買手となって、中古品市場が内生的に生成される。中古品市場の生成によって、買手に流動性が供給され、製品サイクルが加速され、景気がよくなる(GDPが増える)。しばしば中古品市場の存在は、新品の供給者の利益を損なうと言われるが、住宅や自動車の場合にはそういうことはない。これは、住宅や自動車のような大きな耐久消費財の保有コストが大きいので、中古市場の整備は買い替えを促進するかである。書籍や音楽CDのように保有コストが小さいものでも、やはり同様のメカニズムは、程度の差はあれ、機能する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Middlemen and Resale2012

    • 著者名/発表者名
      今井亮一
    • 学会等名
      Search Theory Conference
    • 発表場所
      ホテル阪急エキスポ・パーク(大阪大学主催)
    • 年月日
      2012-03-10
  • [備考]

    • URL

      http://homepage3.nifty.com/ronten/STW.htm

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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