• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実績報告書

価格形成プロセスと市場特性の実験的解明

研究課題

研究課題/領域番号 22530191
研究機関近畿大学

研究代表者

谷口 和久  近畿大学, 経済学部, 教授 (80268242)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード価格形成 / 市場特性 / ザラバ市場 / 競売買 / 人工市場 / 市場過程論 / U-Martシステム / 進化経済学
研究概要

交付申請書の研究計画にしたがって,6~8月に人工市場実験を行った。本年は研究計画の最終年度であるので,これまでの実験データを参考にしつつ過去のデータと比較対照できるような実験を行った。すなわち,実験に用いる現物価格の系列を今までに実施した実験と同じものとし,また部分的に実験に参加したコンピュータ・プログラム・マシンも従来と同じ戦略を取るようにした。実験に協力した学生は13名で,参加した個々の人間は過去の実験に参加した人間と異なるが,実験環境は同一でありそのうえで総括的な実験を実施した。毎回,実験を実施したのちに各人にアンケート調査を行い,各人の取引戦略と実験結果の関係を調べた。本年度の実験では,序盤から中盤にかけて現物価格と先物価格の乖離が見られ、終盤にその乖離が消失するという価格系列がたびたび見られた。現物価格の変化を正確に予想することは不可能であるが,時間経過にしたがって過去の価格変動データが蓄積され予想が正確になるのであろう。また,売買価格と売買数量に関して類似の変動パターンが出現することもあり,変動パターンと提示される売買注文の価格と数量にはある程度の関連は見られた。しかし人間の多様な主観が複雑に絡み合って入っていることも判明した。例えば取引エージェントに関しては,マシンの参加する実験において負けたことのない人間が,マシンの参加しない実験ではほとんど勝てなくなる事例や,マシンが参加している時にはあまり勝てない人間が,マシンが参加しなくなるとかなり勝てるようになる事例も得られた。損益に関しては勝率の高いプレーヤーが必ずしも高い利益を得るとは限らないという結果も得られた。売買の必勝法があれば,ゼロサムゲームでは全員が損をしないが,それは同時に誰も勝つことができない。利得の獲得のできない市場は存在の意味がなくなるが,このような基本的な市場の特性が様々な実験で明白に現れた。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 その他

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Price, Price Formation and Transmittance of Price Information2012

    • 著者名/発表者名
      Kazuhisa Taniguchi
    • 学会等名
      The 16th Annual Conference of the European Society for the History of Economic Thought
    • 発表場所
      Saint Petersburg State University, Saint Petersburg, Russia
    • 年月日
      20120517-19
  • [学会発表] 小さな進化と大きな進化

    • 著者名/発表者名
      谷口和久
    • 学会等名
      第17回進化経済学会
    • 発表場所
      中央大学(東京都)

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi