研究概要 |
(1)プラトンとアリストテレスの正義論および平等論の考察 プラトンとアリストテレスの正義論および平等論を,民主制・寡頭制・優秀者支配制などさまざまな国制の差異と2種類の平等概念(単純平等と比例的平等)との関連に注目しながら考察し,二人の思想の継承と発展の関係を明らかにした。研究成果を「経済学史研究会」(8月)と「哲学研究会」(8月)で発表した。 (2)アダム・スミスの分業論と人間発達論の考察 スミスの分業論を人間発達における平等という観点からマルクスやエンゲルスの分業論と比較しつつ考察し,人間発達の経済学国際会議(4月,北京)で「分業と人間発達」として発表した。報告論文(中国語訳)は2012(平成24)年度に公刊される予定。 (3)アダム・スミスの農工分業論と賃金論の考察 スミスの農工分業論と賃金論を有効需要の平等という視角から再検討し,論文「アダム・スミスの農工分業論と賃金論における有効需要の問題」としてまとめた。 (4)アダム・スミス『法学講義』行政論の再検討 スミスの富裕論=福祉論と平等論が『法学講義』行政論から『国富論』へどのように発展したかに注目しながら『法学講義』行政論の主題と構成について考察し,論文にまとめた。
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