研究課題/領域番号 |
22530199
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
若田部 昌澄 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (00240440)
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キーワード | 経済学史 / 経済学説 / 経済政策 / 日本経済 |
研究概要 |
研究期間中間の年として研究進捗状況についての自己点検を行った。調査研究から次第に成果発表に重点を移行した。 1.70年代は国際通貨制度が激しく変化した時代でもある。ことに1971-73年のブレトン・ウッズ体制の崩壊は大インフレと深くかかわる。国際通貨制度と経済思想の密接な関連については、70年代大インフレとの関係だけでなく、経済学全体と国際通貨制度の関係を分析した論文を刊行する予定である(「グローバル化と貨幣」『古典から読み解く経済思想史』ミネルヴァ書房、2012年5月刊行予定)。 2.70年代のマクロ経済学について、主として日本におけるケインズ主義とマネタリズムとの関係について議論した。その前提として、マネタリズムの代表としてとりあげられるミルトン・フリードマンについては経済学史学会の査読付学術雑誌である『経済学史研究』に展望を兼ねた論文を書くように依頼をされ、執筆が終わり、以下として刊行される予定(「歴史としてのミルトン・フリードマン」『経済学史研究』第54巻第1号、2012年7月刊行予定)。また、日本におけるケインズ主義とマネタリズムとの関係について2本の論文を執筆し、1本は全米経済学史学会で発表を行った。もう1本も近日中に刊行される予定である(「貨幣理論のない日本のケインズ主義」浜田宏一・原田泰編『金融政策とデフレ脱却(仮)』中央経済社、2012年刊行予定)。 3.70年代インフレについて重要な役割を果たした日本銀行の政策思想について論文を執筆し、イタリアで報告をした。 4.内外学会で3本の発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初目的とした単行本の執筆にはいたっていないものの、英文論文2本、日本語論文3本を執筆し、国際通貨制度、経済思想、経済政策思想についての3分野については予備的な成果を発表できたと考える。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究課題については、昨年度の研究計画を踏まえ、これまで発表してきた学会発表を論文とすること、論文を単行本にすることを目標とする。また最終年度ということもあり、これまでの研究をまとめることに主眼を置きたい。
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