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2012 年度 実績報告書

アダム・スミスにおける倫理と経済学:共感と分業の理論体系

研究課題

研究課題/領域番号 22530201
研究機関九州産業大学

研究代表者

高 哲男  九州産業大学, 経済・ビジネス研究科, 教授 (90106790)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード経済思想史 / アダム・スミス / 共感 / 労働価値論 / 自由 / 動物行動学 / 自然価格 / 本能
研究概要

アダム・スミスの思想における、社会倫理形成のメカニズム=共感と自己愛=市場経済的利己心との関連付けを、『道徳感情論』と『国富論』に内在しつつ解明するという課題は、なお基本的な部分に限られるとはいえ、おおよそ解明の手掛かりを得た。つまり、共感は、動物に特有の生まれつき備わった機能であり、それを通じて「他者との一体感」を築きあげ、社会を確立していくという説明は、のちに、ダーウィンによって「社会的本能」として再定式化される「道徳進化」の理論と内容的ほとんど変わらず、ダーウィン自身が、スミスの「共感の理論」を極めて高く評価していたことも、確認できた。
エジンバラでの資料調査や、生物学者や進化心理学者、さらには科学史家の数多くの研究成果を確認しつつ、いくつか論文にまとめ、発表できたが、まだ、『道徳感情論』の全体、『国富論』の全体をそれぞれ体系的に再構成するところまでは、手が届かなかった。しかし、『国富論』の場合、出発点に据えられた「交換性向」は、明らかに「共感」を前提し、その能力を有する人間だけに特有の社会性の前提・承認であって、したがって、『国富論』は市場社会における「共感の体系」、つまり市場的社会倫理の確立についての議論である点で、『道徳感情論』と直接結び付き、その延長線上にあることがおおよそ判明してきている。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 2012

すべて 学会発表 (1件) 図書 (2件)

  • [学会発表] 二つの進化論:C.ダーウィンとH.スペンサー――ダーウィンにおける道徳進化の理論を中心に2013

    • 著者名/発表者名
      高 哲男
    • 学会等名
      進化経済学会
    • 発表場所
      中央大学
    • 年月日
      20130316-20130317
  • [図書] 翻訳 アダム・スミス著『道徳感情論』2013

    • 著者名/発表者名
      高 哲男
    • 総ページ数
      703
    • 出版者
      講談社学術文庫
  • [図書] Subjectivism and Objectivism in the History of Economic Thought2012

    • 著者名/発表者名
      Tetsuo Taka, edited by Y.Ikeda and K.Yagi.
    • 総ページ数
      193, 執筆は11-28頁
    • 出版者
      London and New York: Routledge

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公開日: 2014-07-24  

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